こんにちは。ショーヘイです。今回は、配管継手の材質について解説していきます。配管はガス、水道、油など様々な流体を輸送するための管です。配管継手とは、その配管同士をつなぎ合わせるための部品になります。
「どんな形状があるの?」
「材質がたくさんあってどれを選んでいいか分からない」
そんなお悩みを解決していきます。
本文では以下の内容を解説していきます。
目次
配管継手の接続方法
配管の接続方法については、主に下記に分類されます。
・ねじ込み形
接続部分がねじ構造になっており、めねじ側におねじ側を回し込む事によって接続する。主に低圧、低温であまり危険性のない水・空気・燃料ガス・燃料油・低圧蒸気・機械設備などの配管に用いられる。
・差込み溶接形
端部を差し込んで溶接する接合方式。端部の位置決め手段のないスリップオン溶接式とストッパのあるソケット溶接式がある。
・突合せ溶接形
端部を突き合わせて溶接する接合方式。50A以上の配管に最も多く使用される接続方式。
・フランジ形
端部がフランジ(つば)状になっており、ガスケットを挟んでボルトナットで固定する方式。
よく使われる形状
・エルボ

90°に曲げる外ねじ同士の配管接続に使用。
・チーズ

T字に分岐する外ねじ同士の配管接続に使用。
・レデューサー

直径が異なる外ねじ同士の配管接続に使用。
・ソケット

外ねじ同士の配管接続に使用。
・六角ニップル

内ねじ同士の配管接続に使用。スパナやモンキレンチ等で締める。
・ユニオン

外ねじ同士の配管接続に使用。スパナやモンキレンチ等で締める。
・ブッシング

径が違う外ねじと内ねじの配管接続に使用。
(※キッツ ステンレス鋼製ねじ込み管継手カタログより画像引用)
主に使用される材質種類
今回は以下の6種類をまとめました。
・黒継手
材質は可鍛鋳鉄製。表面の加工はされておらず、水、油、蒸気、空気など主な流体に対応している。
主な適用流体:冷温水、冷却水、消火用水、蒸気、ガス、空気、油
・白継手
黒継手と同じく材質が可鍛鋳鉄製。黒継手との違いは表面加工(溶融亜鉛メッキ)をしているかしていないかです。めっき加工を施すことによって錆や腐食を防ぐように作られています。
主な適用流体:中水、工業用水、冷温水、冷却水、消火用水、ガス、空気、油
・ステンレス継手
ステンレス素材の継手。優れた耐食性を持ち、使用流体を選ばないため普及率が非常に高く、建築、プラント、原子炉、自動車、航空機など広く使用されている。「ステン」や「サス」と呼ばれ、代表的な物でSUS304、SUS316などが挙げらる。
・黄銅製継手
真鍮(しんちゅう)ともいい、主に銅(Cu)65%、亜鉛(Zn)35%の合金の事を指す。電気や空気、冷媒管などで使用される銅管の継手でよく用いられる。
・青銅製継手
砲金(ほうきん)ともいい、黄銅製と違い、銅の含有率が高いため値段も高い。銅(Cu)90%、すず(Sn)10%。硬さや強度は鉄より劣るが腐食に強い。また埋設するのであれば黄銅製より青銅製を選ぶ方が良い。
・塩ビ継手
材質はPVC(ポリ塩化ビニル)で、プラスチック素材の中でも特に加工性に優れており、他にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの配管素材がある。強度や耐候性、耐薬品性に優れており、重量が軽く安価である。また、加熱すると柔らかくなり加工のしやすさもあるため汎用性が高い。しかし、高温、低温に弱いため使用温度範囲が狭い。
選定ポイント
選ぶポイントとしては、お客さんから聞かれた時にどこで使用している何の配管かを確認する事でしょう。また、
・流体が何なのか
・流体の温度はどれくらいか
・圧力がかかるところで使用しているのか
・素材の希望があるか
などをヒアリングしておくと、より良い提案ができると思います。
<まとめ>
今回は配管継手の種類とその特徴についてまとめてみました。
接続方法は
・ねじ込み形
・差し込み溶接形
・突合せ溶接形
・フランジ形
などがあり、様々な形状の継手があるため、設置場所に対応した接続ができる事が分かりました。
さらに、材質も様々な物があり流体や使用用途によって材質を選ぶ事ができます。
配管ルートを考えて継手を選ぶのも難しいのですが、考えている意外と楽しかったりします。他にも様々な用途の配管継手を探してみてはいかがでしょうか。
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